2022年1月21日から23日にかけて開催されたオンライン釣りフェスティバル2022で、シマノが新製品を発表しました。そのなかで、シマノのルアーフィッシング向けエントリーモデルシリーズである「ソルティアドバンス」に、オフショアジギングモデルが追加されることがアナウンスされました。
「ソルティアドバンス」は手ごろな価格帯で入手しやすく、本格的なルアーフィッシングにも対応できる性能を備えた人気のシリーズです。今回追加されたオフショアジギングモデルについて、以下で紹介します。
オフショアでの大物釣りに挑戦してみたい方や、サブロッドを検討している方などは、ぜひ参考にしてみてください。
ソルティアドバンス ジギングモデルのラインナップ
今回発表されたソルティアドバンスのジギングモデルのラインナップは下の表のとおりです。
品番 | 全長(ft.) | 自重(g) | ジグウェイト(g) | 適合ラインPE(号) | カーボン含有率(%) | 本体価格(円) |
---|---|---|---|---|---|---|
JIGGING B60-3 | 6’0″ | 146 | MAX180 | MAX3 | 95 | 12,800円 |
JIGGING B60-4 | 6’0″ | 154 | MAX210 | MAX4 | 94.6 | 13,200円 |
JIGGING S60-3 | 6’0″ | 169 | MAX180 | MAX3 | 92.8 | 12,800円 |
JIGGING S60-4 | 6’0″ | 181 | MAX210 | MAX4 | 93.2 | 13,200円 |
ベイトとスピニングのモデルが発売される予定で、それぞれ3番、4番のパワーがラインナップされています。3番はジグウェイトがMAX180g, 4番ではMAX210gまで対応しており、いずれも近海ジギングに幅広く対応できる仕様となっています。
ソルティアドバンスジギングモデルの特徴
価格が安い
「ソルティアドバンスジギングモデル」の最大の特徴は、なんといってもその手頃な価格にあります。オフショアでの大物釣りに初めて挑戦したいと思っている初心者の方は多いと考えられますが、タックルの高価格はそのハードルの一因です。
オフショアジギングで大型の青物などに挑戦したいけれども、船代もかかる中で、竿やリールに10万円近く使うのは難しい、という方も少なくないでしょう。もちろん、レンタルタックルという選択肢もあるかもしれませんが、レンタルだとレンタルサービスのある特定の船でのみ利用可能であり、「釣らせてもらった感」を感じてしまう場合もあるかもしれません。

やはり自分の道具を使って、ラインのノットなども自分で準備し、自分のルアーで大物を釣り上げるという喜びは、レンタルでは味わえない達成感をもたらしてくれます。
そんなチャレンジへのハードルを下げてくれる意味で、この価格帯でPE4号まで扱えて、10kgを超える青物に挑戦できるという竿が登場したことは、嬉しい限りです。
この「ソルティアドバンス」と「ストラディックSW」の組み合わせなら、5万円以下でジギングタックルを揃えることができます。また、「スフェロスSW」の組み合わせなら、3万円台でタックル一式が揃うため、初心者の方にとってもハードルがぐっと低くなります。
搭載テクノロジー
「ソルティアドバンスシリーズ」は入門モデルであり、上位機種と比較すると搭載されているテクノロジーはそれほど多くありません。
しかし、Kガイドが採用されたことでライントラブルが低減されているなど、オフショアジギングを行う上で必要最低限な機能は備わっていると考えても良いでしょう。

上位モデルに見られるようなハイパワーXやスパイラルXなどのブランクスを強化するテクノロジーは搭載されていませんが、4番モデルではPE4号を扱い、10kg以上の青物とのファイトにも耐えられるようなバットになっているとのことです。したがって、オフショアジギングで大物釣りに初めて挑戦するための、最低限のブランクス性能は備わっていると言えるでしょう。
たまに初心者の方で、「入門モデルの竿だと大物が掛かったときに折れてしまうのではないか」といった心配をされる方もいらっしゃいます。
しかし、適切なドラグ設定と無理のない角度で竿を曲げさえすれば、ファイト中に竿が折れることはまずありません。逆に言えば、竿に合わない高負荷なドラグ設定や竿の立て方、曲げ方をしてしまえば、どんな高級ロッドでも折れる可能性があります。
適切なタックル設定でも折れる場合があるとすれば、ガイドへの糸がらみやライントラブルが起こった状態で魚や根がかりに引っ張られたケースが考えられます。ガイドに絡まった状態で大型魚が掛かれば、どんなタックルでも簡単に破損につながります。
ジギングはシャクって巻いてを繰り返す性質上、ラインを常に張った状態で巻き取りをするわけではないので、こういったライントラブルが起きやすい釣りです。このような事態を考慮して、ライントラブルを減らすKガイドが、下位モデルであるソルティアドバンスのジギングモデルにも搭載されたと考えられます。
入門用と上級ロッドの違いは、魚とのファイトをどれだけ釣り人優位に進められるか、という点にあります。ヒラマサなどの大型青物でも、100m程度の深い水深の場所で余裕をもってドラグを出しながらファイトできる場合などは、ドラグを固く締めこむ必要はありません。4~5kg程度のドラグ設定で、ドラグを適切に使いながらやり取りをすれば、十分に10kgクラスのヒラマサを獲ることができます。そのようなシチュエーションでは入門ロッドでも十分に大型青物を獲ることが可能です。
一方で、浅場での釣りで一気に根に潜っていくヒラマサなどの大型青物を引き寄せる場合には、強いドラグ設定にも耐えられて、より粘りのある上位モデルが必要となります。水深20m以下の浅場で、フルドラグでヒラマサを引きずり出さなければ根ずれで切られてしまう状況では、バットパワーのない竿では獲ることが難しい魚もいるでしょう。

ここまで説明したように、ソルティアドバンスではバットパワーに頼った強引なやり取りは難しいかもしれませんが、逆に言えば基本に忠実なポンピングやドラグをうまく使ったやり取りを覚えるには良い教材となるでしょう。
入門用ロッドの方が、基本技術が重要になるというのは多少矛盾してしまうかもしれませんが、青物とのやり取りの基本やその楽しさを覚えるために、この価格帯でロッドが手に入ることは非常に魅力的です。初心者が基本を学びながら楽しむための優れた選択肢と言えるでしょう。
2022年3月に発売
ソルティアドバンスのジギングモデルは、既に2022年3月に発売されています。
今年こそはオフショアジギングにチャレンジしてみたい!と考えている方や、サブロッドとして使ってみたいという方には、魅力的なロッドだと思いますので、ぜひチェックしてみてください。
本文中で出てきたリール スフェロスSWはこちら。
本文中で出てきたリール ストラディックSWはこちら