1月21日に開催の釣りフェスティバル2022にて、シマノの2022年新製品が発表になりました。汎用機のフラッグシップであるステラのフルモデルチェンジが発表され注目されましたが、投げ釣り専用リールのフラッグシップモデルも新たに登場することとなりました。それが22 キススペシャル45です。
このキスの投げ釣り専用リールのフラッグシップモデルの22キススペシャル45について発表された仕様を読み、どのような進化をとげているのか紹介します。
キススペシャル45の仕様
今回発売になる22キススペシャル45はGOKUHOSO仕様とCE GOKUHOSO仕様の2ラインナップです。いずれも本体価格は99,700円となっています。CE はコンペエディションの略で、CEモデルにはスーパースロー10というスローオシュレート機能が搭載されています。
品番 | ギア比 | 許容耐力(Kg) | 自重(g) | 糸巻量PE(号-m) | スプール 径(mm) /ストローク(mm) | 本体価格(円) |
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GOKUHOSO | 3.5 | 20 | 400 | 0.6-250,0.8-200,1-160 | 67/45 | 99,700円 |
CE GOKUHOSO | 3.5 | 20 | 405 | 0.6-250,0.8-200,1-160 | 67/45 | 99,700円 |
今回の新モデルの大きな特徴は、スプールストロークが16スーパーエアロキススペシャルまでの35mmに対して、新モデルでは45mmに変更になった点です。長いストロークのほうが飛距離は伸びやすいと一般に言われていますので、全モデルと比べてもより飛距離が伸びる設計に変更されていると言えます。
シマノフィールドテスターの今回の日置淳さんもインプレッションの中で、「45mm ストロークのスプールはラインの放出が非常にスムーズで気持ちいいですよね」(シマノ公式HPより引用)と評されています。ストロークが10mm伸びたことでスプールからの糸の放出がスムーズになり、キャストフィールが向上しているようです。
22 キススペシャル45の注目ポイント
ここからは、シマノから発表されている公式の仕様を基に、22キススペシャル45の注目ポイントについて紹介してきます。
リールのたわみを抑制
22キススペシャル45に新たに搭載されたのがリジッドキャストです。リジッドキャストは剛性と軽さを最適なバランス設計にすることで、キャストする際のリールのたわみを小さく抑えることができる機構です。
リールのたわみを抑制することにより、キャスト時のブレを低減して飛距離だけでなくキャスト方向の正確性も向上することになります。
日置淳さんもインプレッションの中で
「リジッドキャストが搭載されたことで、リール全体の剛性が大きく向上しているのを実感しました。投げ釣りで 100g ほどのオモリをフルキャストするときには、だいたい 10kg ほどの負荷が掛かります。リールには相当の負担がかかるのですが、キャスト時に振り抜いたときにたわむ感じがないんですよね。」(シマノHPより引用)
と語っておられ、リジッドキャストにより剛性と軽量を両立した設計となっていることがうかがえます。
実際のテストの中でも、リジッドキャストの有無の比較でリジッドキャスト有りの場合にキャスト方向のバラツキが大きく改善されているデータが公式Youtubeの動画でも示されており、22キススペシャルはキャスト方向の正確性という点で大きく進化を遂げているようです。
実釣の場面では飛距離はもちろん重要な要素なのですが、自分の思った方向にキャストできるコントロールもそれと同等に重要になります。大会などでは10mごとに人が並んで投げ釣りをするような場面も有りますし、そのような場面で遠投するには正確なコントロールがとても重要になります。
最新の設計を導入することで、飛距離のみならずコントロールまで向上できる22キススペシャル45、これを使うときっとキス釣りが上手くなったような快適な釣りが楽しめそうですね。
巻きの性能も大きく進化
キス釣りで重要な、「投げる」という性能の進化についてここまで書いてきましたが、キス釣りでもう一つ重要な要素が「巻く」動作の性能です。
リールサビキをする場合には、リールを巻き上げるときの僅かながたつきや重さが海底を感じる感覚に対して雑音となってしまいます。巻き上げがスムーズであればあるほど、遠距離でのキスの微かな当たりの感覚を捉えるための集中力を保ちながら釣りを展開することが出来ます。
また、深場から素早くオモリを浮かせたい場合や遠方から連掛けのキスを巻き上げてくる場合などは、想像以上に巻き上げのトルクが必要な場面があります。この時にギアのがたつきやパワーの不安があると、釣りがしづらくなってきます。
このように実釣で重要となる巻きの性能についても22キススペシャル45では、2つの機構が新たに搭載されて大きく進化しています。
一つが今回新たに搭載されたインフィニティドライブという機構です。このインフィニティドライブは、これまでステラSW、ツインパワーSWといった大型スピニングリールにしか搭載されてこなかった機構で、高負荷時にもよりパワフルな巻き上げを実現する技術です。
大型青物やマグロなどと闘うために磨かれてきたこの技術が、満を持して22キススペシャル45に搭載された形です。これまでのキス釣りリールとは次元の違う、一段上の巻き上げ性能で遠投からの巻き上げや深場での釣りに威力を発揮してくれるでしょう。
そしてもう一つ新たに搭載されたのが、サイレントドライブです。こちらは、部品間のわずかなガタつきや、隙間を徹底的に排除したことで、非常に滑らかな巻き心地を実現する機構で、近年発売されたシマノのスピニングリールの上位機種に搭載され、汎用リールでは徐々にミドルクラスにも搭載されてきていた技術です。
そのサイレントドライブが投げ釣り用のリールとしては初めて22キススペシャル45に搭載されることになりました。その滑らかな巻き心地により、繊細なピンギスの当たりをリールサビキでとらえるような釣りでも、集中力を乱すことなく楽しめるようになっていることが期待されます。
シマノフィールドテスターの伊藤幸一さんも、「これだけ静かに巻けるということは、集中力が問われる大会などでも大きな力になってくれるでしょう」(シマノHPより引用)と語っておられ、トーナメントシーンの第一線で活躍される方にとっても納得の進化を遂げていると言えるでしょう。
ノーマルとコンペエディション 二つのモデル
今回の22キススペシャル45にはすでに述べた通りGOKUHOSO仕様に対してノーマルとコンペエディション(CE)の二つのモデルがラインナップされています。
コンペエディションには、スーパースロー10が搭載されており、超密巻きに糸を巻き上げる仕様になっています。スプール1 往復でラインが約100回転も巻き取られる超スローなスプールの上下動により、キャスト時の糸の放出抵抗が低減され飛距離がアップします。
スーパースロー10は飛距離のメリットは大きいのですが、超密巻きの場合しっかりとラインテンションをかけて巻き取ってこないとライントラブルが起きやすい場合があります。
実釣においてライントラブルをあまり気にせずに、釣りを快適に楽しみたい方はノーマルエディションを選ぶといいでしょう。わずかな飛距離の差も勝敗に結び付く可能性があるようなトーナメントシーンで使う場合は、コンペエディションを選択するのがいいかもしれません。
4月に発売 店頭でもネットでも買えます
今回発表された22キススペシャル45ですが、既に4月に発売しています。アルテグラやステラなど、最近のシマノの新製品は在庫が中々ないものもありますが、22スペシャル45は最近は比較的店頭でも見かけますし楽天やAmazonでも在庫は有るようですので、気になる方はチェックしてみてください。
私もいつもお世話になっている釣具屋さんで触ってみましたが、巻き心地もヌルヌルで剛性感も◎で、かなり欲しくなり迷っています・・。是非店頭で見かけたら、店員さんにお願いしショーケースを開けてもらう手間をかけてでも手に取ってみてください。
22キススペシャル45 GOKUHOSO
22キススペシャル45 CE GOKUHOSO
私の方は、今回22ステラも同時に発表されており、どちらも気になっています・・。うーんどっちもフラッグシップモデルに相応しいお値段なので両方同時にというわけにもいかず、、どうしよう。
うん、まあどちらを買うにせよ、とにかくまずは頑張って働こう。
ということで以上、今回は1月21日に発表された22キススペシャル45について、新たに搭載された機構による進化のポイントを中心に紹介させていただきました。22ステラについても同様にまとめた記事を書いていますので気になる方は参考にしてください。