今回は、アオリイカのエギングで中々釣果が上がらず悩んでいる初心者の方のために、意識すべき3つのポイントについて解説します。私も様々な試行錯誤を重ね、この3つを意識するようになったことで、明らかに釣果が上がりました。
なかなかコツを掴めず悩んでいる初心者の方や、そもそもエギングで釣れたことがないという方は、意識を変えるだけでエギングが上達する3つのポインを是非参考にして、釣果アップに繋げてください。
エギング初心者が陥りがちなパターン
エギング初心者が中々釣果が出ない状況で陥りがちなパターンがあります。例えば、周りで釣果を上げているベテランエギンガーを見て、その方が派手でカッコいいシャクリをしていると、自分との違いが気になります。「シュパシュパシュピーン!」といったシャクリが目に付き、この違いが釣れない原因だと考えることがあります。
そして、そのシャクリを真似しようとして上手くできず、悩んだりしていませんか?
私もエギングを始めたばかりの頃、同じような経験がありました。シャクリが目立つため、これがエギングの成功の鍵だと思い込んでしまうことがあります
そして真似しようと思っても中々上手くいかず、シャクリばかり気になってエギングが楽しくなくなってしまったりします。私もそうでした。一時はエギングが楽しくなくなって、友人に全部エギをあげて引退しようとしたこともあります。笑
しかし、実はシャクリ方というのは最優先すべきことではなく、実際にはエギングで釣果を上げるためには、もっと別の基本的な要素が重要です。上級者は確かに様々なシャクリのパターンを持っていますが、それは基本を理解した上での工夫であり、基本がなければシャクリだけ真似したのでは十分な釣果が得られません。
上達するために意識すべき3つのポイント
それでは初心者が意識すべき基本的なポイントとはどのようなことかを説明します。シャクリよりも大切なエギングの基本は以下の3つのポイントに集約されます。
- 必ずボトムをとること
- 糸ふけの管理(風を意識する)
- フォールに全集中すること
決して難しいテクニックは必要なく、この3つをとにかく意識して必ず実行することで、だんだんとエギングの”釣り方のコツ”を理解することができ、”釣れた”ではなく”釣った”という感覚になってきます。すると、エギングが楽しくなり、さらに上達していきます。それではそれぞれについて、詳しく見ていきましょう。
必ずボトムをとること
まず大切なのは必ずボトムをとることです。キャスト後に適当に待ってシャクり始めるのではなく、必ずエギをボトムまで沈めてからシャクりはじめてください。
そして、ボトムまで沈めたら、2、3回ちょんちょんとシャクってまたボトムまで沈めてください。基本的には足元までこの繰り返しです。シャクって沈める、シャクって沈める、これでボトムを取り続けることを意識してください。
イカは中層に浮いていたり、表層までエサを追ってきたりということはもちろんあるのですが、基本的にはボトム付近に居るほうが多いと考えてください。私の経験上特に大きなイカほどボトムに居ます。なので初めはイカはボトムにしかいないぐらいの大げさな意識でも良いですので、とにかくボトムを意識してください。
このボトムを意識してトレースしてくることが出来るようになれば、イカが浮いていると思えばしゃくる回数を4回、5回と増やせばより上の層でアピールすることもできます。また、フォール時間を何秒減らせばどの深さをトレースしてこれる、ということを考えて中層をトレースすることも出来ます。このような応用も、基本さえできていれば簡単に考えられます。
キャスト後にボトムを取る感覚が分からないという方もいると思います。風や流れが強いと、軽いエギではベテランでもわからないこともあります。なので、水深が分かっている場合は秒数をカウントしてボトムをとるのが基本であり、最も簡単なやり方です。
水深が分からない場合は、初めに重たいエギで着底までの秒数を数えて水深を把握しておきましょう。このために私は水深パイロット用として、DEEPタイプのエギを持っておくことをお勧めしています。ボトムを取るためのコツについては別記事に詳細を書いていますので参考にしてください。
関連記事:エギングでボトムをとる方法と3つのコツ
糸ふけの管理(風を意識する)
二つ目のポイントは風を意識して、糸ふけを管理することです。キャスト時と着水後に必要以上に糸ふけを出さないことで、エギの状態を手元で把握できて着底やアタリをとらえることができます。
そのため、キャスト時には必ず着水前にフェザーリング(指でスプールを抑えてラインが出ていくの抑えること)を行って、余計なラインを出さないことが大切です。キャスト時に余計な糸を出してしまうと、着水後エギに引っ張られても手元の糸がなかなか出ていきませんので、着底がわからなくなってしまいます。
そして、フェザーリングを行ったら着水後もラインをフリーにせず、ラインを指で押さえてテンションをかけながら、エギに引っ張られた分だけラインを出すようにしてください。そのように少しずつ糸を出しながらフォールさせて、エギが着底すると糸が出ていくのが止まります。糸が止まるのを目で見て把握することと、竿先がふっと軽くなることの二点で着底したということをつかみます。
このように、糸ふけを出しっぱなしにせず、きちんと管理することはエギングで非常に重要となりますが、風がある場合はまたそれが難しくなります。特に横風が吹いていて暗い時間帯だと、フェザーリングを行ってもキャスト中やシャクリ時に横に糸が流れていまい、着底やアタリを取るのはベテランでも難しくなります。
そのため、風が吹いている場合は出来るだけ風上から風下に向かって追い風を受ける形でキャストできる場所に釣り座を選びましょう。追い風が無理なら、横風よりは向かい風のほうがまだましです。向かい風は飛距離は出ませんが糸がキャスト時に横に流されて出て行ってしまうことがないからです。
釣り場によっては横風を避けることが難しいこともあると思いますが、釣行を決める際に釣り座と風向の関係を意識できると、格段に釣りがしやすくなります。風を意識しよう、というのはそういう意味で書いています。エギングをするときには常に風の方向を意識して、事前に調べるようにしましょう。
糸ふけ管理に重要なフェザーリングやラインメンディングの技術についての詳細はまた別途記事を書く予定です。
フォール中に全集中すること
三つめに意識してほしいのがフォール中に最も集中力を高める、ということです。私はこれが最も重要だと考えています。なぜなら、イカがエギを抱いてくるのは必ずフォール中だからです。シャクっているダートアクション中にイカが抱いてくることはまずありません。
はじめにシャクリの動作はあまり気にしないでほしいと書いたのはこのためです。私もそうだったのですが、初心者の方はシャクリが気になるあまり、イカが抱いてくるフォール中に糸や竿先に集中していない場合が多いように思います。フォール中こそ、「全集中、イカの呼吸」でアオリイカの当たりを待ってください。
フォールに集中するために、簡単にしゃくるだけで良いダートアクションをしてくれる初心者におすすめのエギについて紹介した記事もありますので、参考にしてください。
関連記事:秋イカにはエギ王Liveがおすすめ!
実際のシャクリ後のフォール中のやり方について説明します。しゃくった後に余分なラインをある程度巻き取って、糸ふけを取ってください。その後はラインを張りすぎず、張らなさすぎずという状態を保ってフォールさせてください。糸はある程度張っているけども、エギは垂直にフォールしていくというイメージがベストです(テンションフォールというやつです)。
このテンションフォールさせている最中は、竿先と糸に集中してイカのアタリを取りましょう。イカの当たりは、抱き方によってさまざまな当たり方をします。エギを沖に引っ張るように抱いてこれば大きなあたりを感じますが、スッと横から抱き着いてくるだけの時や、手前に抱き着いてくるときは非常に小さい当たりの時もあります。
アタリがあったらあとは合わせるだけです。明確なあたりでなくても、少しでも怪しいと思えば合わせてみましょう。合わせはリールを巻きながらキュッと竿を立てればよいです。合わせたときに足切れしてしまわないようにドラグは調整しておきましょう。シャクッたときにジッ、ジッと少しドラグが出るくらいが目安です。
アタリが分かるとエギングが楽しくなる
糸ふけを管理して底を取り、フォールに集中してアタリを取り、釣りあげる。この一連の動作が出来るようになってくると、”釣った”という感覚があり、どんどんエギングが楽しくなってくると思います。でも、基本を守っていたけれどもアタリが分からかった時は、あまり気にしないでください。ただ、出来るだけアタリを取れる状態で準備して待つ、ということが上達のためには重要なのです。
ベテランエギンガーでも釣ったイカの半分くらいは、明確にはアタリが分からないと思っていただいていいと思います。ただなんかモヤっとしたから合わせてみたら乗ったとか、そんな感じも多いです。風があれば全くアタリなんてわからないときも有ります。私もいまだに、当たった!と思って合わせたけど海草だったりなんて日常茶飯事です。合わせないで逃すよりはマシなので、そんなときは、鼻歌を歌いながらごまかしましょう。笑
以上、今回はエギングの上達のために意識すべき3つの基本的ポイントについて解説しました。是非参考にして頂き、アオリイカの釣果を伸ばしてください。そして釣ったイカをつまみに美味しくお酒を飲みましょう!